マヤビニックコーヒーが栽培されるチアパス州は、メキシコ国内では経済的に貧しいとされる先住民族人口が多いのが特徴です。
メキシコ国家開発計画においても、開発の重要性がうたわれる南東部地域にあるものの、
中央政府の支援が行き届かず、貧困指数が最も高い州です。
そのため生産者団体でも、フェアトレードが積極的に推進されています。
マヤビニック生産者協同組合(Maya Vinic)は、1999年にメキシコ南部・チアパス高地
チェナロー地区を拠点に設立されました。
500家族からなり、1家族当たり平均0.9ヘクタールを所有します。
マヤビニックとは、現地ツォツィル語で「マヤの人びと」という意味であり、
ツォツィル人によってコーヒー栽培がおこなわれています。
2000年よりアメリカの団体に対してフェアトレードを開始、2002年「国際フェアトレードラベル機構」(FLO)の認証を受けています。
2005年より慶應義塾大学山本純一研究室を通して、国際協力機構(JICA)の草の根技術協力の
支援対象となり、他2団体とともに、栽培から、日本の高い焙煎、抽出技術を学びました。
その成果として、2011年12月16日、同組合はメキシコ・チアパス州サンクリストバルに
コーヒーショップ(Cafeteria de Maya Vinic)を開店。このことは、同年12月19日付の現地有力新聞Cuarto Poder経済面に、先住民自身が栽培から加工、焙煎し、客の目の前で丁寧にドリップして提供する高品質の有機コーヒーであり、「虐殺を乗越え先住民が作ったコーヒーが世界へ」
と写真付で紹介されました。